さくらの山歯科クリニックブログ
2025年12月30日 火曜日
親知らず周辺が腫れる原因とは?放置するリスクと治療法も
こんにちは。埼玉県鶴ヶ島市「鶴ヶ島駅」より徒歩8分にある歯医者「さくらの山歯科クリニック」です。

親知らずが原因で口の奥が腫れて痛むという経験をした方は少なくありません。腫れは突然起こることも多く、食事や会話など、日常生活に大きな支障をきたすこともあります。
特に、何度も繰り返す腫れや痛みは、ただの一時的な症状ではなく、親知らず周辺に起こる病変のサインである可能性があります。適切な処置や治療を怠ると、症状が悪化したり、全身に影響を及ぼしたりするリスクもあるため注意が必要です。
今回は、親知らずの周辺が腫れる原因や放置するリスク、応急処置、治療方法までを詳しく解説します。親知らず周辺の腫れにお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
親知らずとは

親知らずは、正式には第三大臼歯と呼ばれる奥歯で、上下左右の一番奥にそれぞれ1本ずつ、合計4本生える可能性がある歯です。多くの場合、10代後半から20代前半にかけて生えてきます。
ほかの永久歯よりも遅れて生えるため、すでに歯並びが完成している状態では、親知らずがまっすぐに生えるための十分なスペースがないことが少なくありません。
その結果、親知らずが斜めや横向きに生えてくることがあり、歯ぐきの中に埋まったまま一部だけが見えている半埋伏(はんまいふく)の状態になるケースも多く見られます。このような生え方は、歯磨きが行き届きにくくなり、虫歯や歯肉の炎症の原因となることがあります。
また、まれに親知らずが全く生えてこない、あるいは1〜2本しか存在しないという人もいます。これは個人差が大きく、遺伝的要因も関係しています。
生え方や本数にかかわらず、親知らずは口腔内の健康に影響を与える要因となることが多いため、歯科医院での定期的なチェックが重要です。
親知らず周辺が腫れる主な原因

親知らずのまわりが腫れる背景には、いくつかの代表的な原因があります。具体的な症状とあわせて、それぞれを詳しく見ていきましょう。
智歯周囲炎
智歯周囲炎とは、親知らずのまわりに起こる歯ぐきの炎症のことです。特に親知らずがまっすぐ生えていない場合、歯ぐきとの間にすき間ができやすく、そこに食べかすや細菌がたまることで炎症が起こります。
これにより、痛みや腫れ、口が開きにくくなるといった症状が現れることがあるのです。あごの下やリンパ節に腫れが広がり、発熱をともなうこともあるでしょう。初期の段階であれば薬で炎症を抑えることが可能ですが、繰り返す場合は抜歯などの対応が検討されます。
虫歯
親知らずは口の一番奥にあるため、歯ブラシが届きにくく、食べかすがたまりやすい場所です。そのため、磨き残しが生じやすく、虫歯になるリスクが高くなります。
虫歯が進行すると、親知らずの神経にまで炎症が広がり、強い痛みや腫れを引き起こすことがあります。さらに悪化すると、親知らずの手前にある歯(第二大臼歯)にも虫歯が広がる可能性があり、1本だけでなく複数の歯に影響が及ぶこともあります。
親知らずの虫歯は進行しやすいため、早めの診断と処置が重要です。
親知らずの生え方
親知らずの生え方によっても腫れが起こることがあります。
例えば、斜めや横向きに生えていたり、歯ぐきの中に一部だけ埋まっていたりする状態では、歯ぐきに圧力がかかり、炎症が起きやすくなります。また、歯がほかの歯や骨にぶつかっていることで、違和感や痛みを引き起こすこともあります。
こうした生え方の問題は自然に改善されることが少なく、繰り返し腫れる場合には抜歯が必要と判断されることもあります。
親知らず周辺の腫れを放置するリスク

腫れが引いたからといって放置していると、さまざまなリスクが生じます。症状の重篤化を防ぐためにも、リスクを理解しておくことが大切です。
全身の健康に影響を及ぼすおそれがある
親知らずのまわりで起きた炎症が悪化すると、腫れがあごや首、さらには顔全体に広がることがあります。
炎症が口の中だけにとどまらず、細菌が血液に入り込んで全身にまわると、敗血症など、命に関わる重大な病気を引き起こすリスクがあります。特に、のどや呼吸器周辺まで腫れが広がると、呼吸困難をともなうケースもあり、早急な治療が必要になります。
違和感を覚えた段階で、歯科医院や医療機関を受診することが大切です。
智歯周囲炎を繰り返す
親知らずのまわりに炎症が一度でも起こると、その後も同じ場所で何度も炎症が発生しやすくなります。特に、歯ぐきの一部が親知らずにかぶさっているような状態では、汚れがたまりやすく、細菌が繁殖しやすい環境になります。
炎症を繰り返すと、歯ぐきの状態が徐々に悪くなり、慢性的な腫れや痛みを抱えることになります。炎症が治まったように見えても、原因を根本から取り除かない限り、再発のリスクは高いままです。
複雑な治療が必要になる
腫れを長いあいだ放置していると、症状が進行し、治療がより難しくなる可能性があります。
たとえば、親知らずの周囲に膿がたまった場合や、炎症が骨の内部にまで及んだ場合には、通常の抜歯では対処できず、外科的な処置が必要になることがあります。また、周囲の歯や骨にも悪影響が及ぶと、複数の部位を同時に治療しなければならないケースもあります。
こうした複雑な治療は、体への負担も大きく、回復にも時間がかかる傾向があります。早い段階での処置が、結果的に負担の少ない治療につながります。
親知らず周辺が腫れたときの応急処置

急に腫れて痛みを感じたときは、すぐに歯科医院へ行けないこともあります。そのようなときに自宅でできる応急処置を知っておくと安心です。
患部を冷やす
腫れている部分を外から冷やすことで炎症をやわらげる効果が期待できます。保冷剤や冷たいタオルを頬に軽く当てることで、血流が落ち着き、腫れや痛みが軽くなることがあります。
ただし、冷却は一時的な対処であり、根本的な解決にはならないため、なるべく早めに歯科医院で診てもらうことが大切です。
安静にする
体を休めることで、免疫の働きが保たれ、炎症の悪化を防ぐ助けになります。強い腫れや痛みがあるときは、無理をせず安静に過ごすことを心がけましょう。
激しい運動や長時間の入浴など、血行が促進される行動は炎症を強める可能性があるため、控えるのが望ましいです。また、十分な睡眠と栄養をとることで、体の回復力が高まり、症状の軽減につながります。
やわらかい食事を心がける
腫れているときは、硬い食べ物や刺激の強い料理を避け、負担の少ない食事を選ぶことが大切です。おかゆ、煮物、スープ、ヨーグルトなど、やわらかくて温度も適度なものを選ぶと、患部への刺激が少なくてすみます。
熱すぎるものや辛い食べ物は、炎症を悪化させる可能性があるため避けましょう。無理に噛むと痛みが強くなることもあるため、できるだけ患部を刺激しないよう意識すると安心です。
口腔ケアを丁寧におこなう
親知らずのまわりが腫れているときでも、口の中を清潔に保つことはとても重要です。
炎症が起きている部分は敏感になっているため、力を入れて磨くと、かえって症状が悪化することがあります。やわらかめの歯ブラシを使い、腫れている箇所には直接当てないように注意しながら、可能な範囲で丁寧に歯を磨きましょう。
特に、親知らずの手前にある奥歯や舌側(内側)の清掃も忘れずに行うことが大切です。普段通りのケアが難しい場合は、無理をせず、痛みが落ち着いてから少しずつ再開するようにしてください。
親知らず周辺が腫れたときの治療法

応急処置で一時的に症状が落ち着いたとしても、根本的な解決のためには専門的な治療が必要になります。歯科医院で行われる代表的な治療方法をご紹介します。
抗生物質や鎮痛薬の処方
腫れや痛みが強いときは、まず抗生物質や鎮痛薬を使って炎症を抑えます。すぐに抜歯できないケースでも、薬で症状を落ち着かせることで治療が行いやすくなります。この段階では無理に処置をせず、腫れがひいたあとに抜歯やほかの治療に進む流れが一般的です。
親知らずの抜歯
炎症の原因が親知らずにある場合、多くは抜歯が必要と判断されます。特に斜めや横向きに生えている場合、再発のリスクが高く、抜歯で根本的に解決できます。抜歯後は一時的に腫れや痛みが出ることもありますが、数日で落ち着くことがほとんどです。
まとめ

親知らず周囲の腫れは、一時的におさまっても根本的な原因が残っている場合が多く、放置すると再発や症状の悪化につながることがあります。智歯周囲炎や虫歯など、見逃すと治療が複雑になるリスクもあるため、違和感を覚えた時点で早めに歯科を受診することが大切です。
また、自宅でできる応急処置や丁寧な口腔ケアも、症状の悪化を防ぐために有効です。腫れの原因や状態に応じた適切な対処を行い、早期の治療につなげることが、口腔内の健康を守る大きなポイントとなります。
親知らず周囲の腫れにお悩みの方は、埼玉県鶴ヶ島市「鶴ヶ島駅」より徒歩8分にある歯医者「さくらの山歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
当院は、お子さまからお年寄りまで安心して通える、優しくてアットホームな歯医者さんを目指しています。虫歯治療や歯周病治療だけでなく、お子さまの治療や審美歯科にも力を入れています。
当院のホームページはこちら、ぜひご覧ください。
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