さくらの山歯科クリニックブログ
2020年9月13日 日曜日
唾液の働き
みなさん、こんにちは!
9月になってもまだまだ暑い日が続いてますね。ただ、朝晩は少しずつ涼しくなってきて秋の気配もありますね。
今回は唾液についてお話いたします。
まず、唾液とはみなさんもご存知のお口にある液体の事でツバともいわれます。
口腔内には唾液腺という液体を作り出す部分(耳下腺、舌下腺、顎下腺)があり、唾液腺開口部という所から口腔内に唾液が排出されます。
成人ですと、一日あたり1~1.5リットル程度排出されますが、30代をピークにして加齢とともに唾液量は減少していきます。
また、唾液の量は時間により変化します。食事中は増え、睡眠時に減ります。
一般的には自律神経(交感神経と副交感神経)の働きによって、水分量や粘度が変化しているといわれます。
ですので、緊張したりすると口が乾いたり、逆に食事中などは唾液が増えるのはそのためです。
そんな唾液には、口腔内の健康を保つ為にとても重要な役割があるのです。
唾液には色々な作用があります。
・消化作用
・保護作用
・自浄作用
・殺菌 抗菌作用
・緩衝作用
・再石灰化作用
・排出作用
加齢とともに減少する唾液ですが、唾液が減るとどんな事が起こるかというと
・虫歯になりやすくなる
唾液には、まず歯の表面に付いた食べかすなどを洗い流す働き(自浄作用)があり、虫歯の原因菌が作り出す乳酸を中和する作用(緩衝作用)があります。
虫歯は、この乳酸が歯を溶かして起こり、唾液が減ると乳酸を中和する働きが低下します。
そして、唾液には、カルシウムやリン酸などの無機質が含まれ、乳酸が歯を溶かしはじめた初期の虫歯の前段階の状態であれば、この無機質成分のおかげで歯の表面を修復すること(再石灰化作用)ができ、唾液が減るとこの働きを失い虫歯が進行しやすくなります。
・歯周病になりやすくなる
唾液の持つ抗菌作用には、歯周病菌が増えないようにコントロールする働きがあり、唾液が減ると歯周病を進行させてしまうことになります。
・口内炎になりやすくなる
口腔内には、頬や舌、唇などの軟らかい軟組織という部分があり、この軟組織の動きを滑らかにする潤滑剤の役割があり、擦れて傷付いたりするのを防ぐ作用(保護作用)があります。
唾液が減少すると、この軟組織を保護する力が低下しますので、傷付きやすくなり口内炎を起こしやすくなります。
このように、簡単な説明ではありましたが、唾液には口腔内を守るためにさまざまな役割があるのです。
唾液をたくさん出すためには、水分補給をしっかりし、食事はしっかり噛むことが大切です。
あとは、舌をお口の中で動かして粘膜のマッサージをすると唾液が分泌しやすくなります。
ただ、どうしても加齢に伴って唾液の量は減ってしまうので、それらを補うためにもしっかりと口腔ケアを行い、いつまでも美味しく食事が出来るようにしていきましょう。
歯の事だけではなく、お口の中の事で気になることなどありましたら、お気軽に歯科医師、歯科衛生士に聞いてください。
当院スタッフ一同、みなさまの御来院をお待ちしております。
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