さくらの山歯科クリニックブログ
2025年1月28日 火曜日
根管治療とは?種類や必要なケース、流れ、痛みなどについて解説
こんにちは。埼玉県鶴ヶ島市「鶴ヶ島駅」より徒歩8分にある歯医者「さくらの山歯科クリニック」です。
歯の痛みや不快感が続くときは、根管治療が必要な可能性があります。根管治療とは、歯の内部にある根管に起こっている問題を解決するための治療法で、虫歯による炎症や感染が神経にまで達した場合に行われます。
しかし「治療は痛いのではないか?」「時間がかかるらしいけど、どれくらいかかるの?」など、様々な不安や疑問を抱く方も多いのではないでしょうか。
この記事では、根管治療の流れや種類、治療中や治療後の痛みについて詳しく解説します。治療にかかる費用や期間、根管治療が必要なケースなどもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
根管治療とは
根管治療は、歯の内部にある根管と呼ばれる部分を治療する方法です。根管には神経や血管が含まれている歯髄が存在します。虫歯が進行して歯髄に達すると、強い痛みや腫れ、感染が生じます。この状態を放置して重症化すると、抜歯が必要になる場合があります。
根管治療では、感染を起こした歯髄や細菌を取り除き、洗浄したあとに空洞部分を埋めて蓋をすることで、痛みや炎症を抑えます。歯を保存するためにも、根管治療は非常に重要です。
根管治療が必要なケース
以下で、根管治療が必要になる主なケースをご紹介します。歯を抜かずに保存するためには、早期の根管治療が重要です。痛みや腫れがある場合は放置せず、速やかに歯科医院を受診しましょう。
歯髄炎
初期の虫歯はエナメル質や象牙質にとどまりますが、放置すると虫歯菌が歯髄にまで達して炎症や感染を引き起こします。このような状態を歯髄炎と呼び、通常の虫歯治療では対処できないケースが多いため、根管治療が必要になる可能性が高いでしょう。
歯の破折
転倒や事故などで口元に強い衝撃を受けると、歯が欠けたり割れたりすることがあります。歯髄が露出するほど大きくダメージを受けた場合、細菌が入り込むリスクが高いため根管治療が必要です。
根尖性歯周炎
根尖性歯周炎とは、死んだ歯髄が腐って炎症が歯根の先端に到達し、周辺組織にまで炎症が広がっている状態です。歯根の先端に膿がたまって歯茎が腫れる症状が見られる場合があり、根管治療で原因となる感染を取り除くことが求められます。
過去の治療が不適切だった
以前に行った虫歯治療で歯を削った際に、歯髄にダメージを与えているケースがあります。これが原因で歯髄が死んだ場合、根管治療が必要です。
根管治療の種類
根管治療にはいくつかの種類があり、患者さまの症状や歯の状態によって選択されます。以下で、根管治療の主な種類をご紹介します。
抜髄
抜髄は、感染や炎症が歯髄に達した場合に行われる治療です。局所麻酔して歯髄を除去し、患部を清掃・消毒し、細菌を取り除いた後、根管内部を充填剤で埋めて密封します。感染や炎症を起こした歯髄を除去することで、痛みなどの症状を改善できます。
再根管治療
過去に根管治療を行った歯に炎症が再発した場合に行う治療です。再根管治療では、古い充填剤を除去し、再度根管を清掃・消毒して新しい充填剤を入れます。初回治療よりも難易度が高くなる場合があり、より高度な技術が求められます。
外科的根管治療
外科的根管治療は、通常の根管治療で対処できない複雑な症例の場合に行われる治療法です。歯茎を切開して歯根の先端部分を直接切除することで感染を取り除く歯根端切除術などがあります。
感染根管治療
歯髄が壊死した際に行われるのが感染根管治療です。炎症が進行すると歯髄が壊死し、歯根の先に膿が溜まっていきます。感染根管治療では、壊死した歯髄を取り除いて根管内を綺麗に洗浄した後、再び細菌が侵入しないように根管を塞ぎます。
根管治療の流れ
根管治療は複数のステップを経て行われます。以下は、一般的な治療の流れです。
歯髄の除去
目視やレントゲン、CTなどで歯の状態を確認後、麻酔を行って根管治療に入ります。麻酔をしたら歯に穴を開けて歯髄を露出させ、ファイルやリーマーと呼ばれる専用の器具を用いて感染した歯髄を除去します。
この作業は、感染や炎症を完全に取り除けるよう慎重に行われます。
根管の洗浄と消毒
歯髄の除去が完了したら、根管を洗浄・消毒して根管内の細菌を完全に除去します。一度では細菌を全て除去できないため、この工程は何回か繰り返し行います。
根管の充填
根管内が清潔になったら、充填剤を使って根管内を密封します。充填剤にはガッタパーチャという材料が一般的に用いられ、これが根管内に隙間なく詰められることで、再感染のリスクを減らします。
土台の製作・被せ物の装着
歯の補強や細菌の再感染予防のために、土台をたてて被せ物を装着します。この最終段階により、歯の機能を取り戻すことができます。
なお、被せ物は噛み合わせなどを調整して作るので、型を取って人工歯を作成・調整するための時間が必要です。被せ物が完成するまでの期間、仮歯を使用するケースがあります。
根管治療における通院頻度や期間
根管治療に必要な通院頻度や治療期間は、患者さまの状態や治療の進行度によって異なります。治療回数は3~5回程度が目安とされています。
ただし、感染が重度である場合や根管の形状が複雑な場合には、さらに多くの回数がかかることもあります。全体の治療期間は1〜2か月程度が目安ですが、歯の状態や治療の難易度、患者さまの通院スケジュールによってはさらに長期間を要する場合もあります。
また、一般的に通院の間隔は1〜2週間に1回程度ですが、場合によってはさらに短い間隔での通院を求められることもあるでしょう。
根管治療の費用
根管治療には、保険診療と自費診療の二つの選択肢があります。以下で、それぞれの費用目安をご紹介します。
保険診療の場合の費用
日本では、根管治療には健康保険が適用されるため、1〜3割の負担で治療を受けられます。3割負担の場合は、2,000円~5,000円程度が費用の目安です。この費用には、治療そのものにかかる費用に加え、レントゲン検査や薬剤、充填材料などの費用も含まれます。
クラウン(被せ物)には追加の費用が発生するので、事前に治療の総額を確認しておくと良いでしょう。
自由診療の場合の費用
自由診療の費用は5〜20万円が目安です。自由診療では、治療の精度を高めるためにマイクロスコープやラバーダム(唾液の混入を防ぐ器具)が使用されます。これにより、再治療のリスクが低減されるでしょう。
また、被せ物の素材にも、審美性や強度に優れたものを選択できます。治療の内容や選択する被せ物の素材、歯科医院によって根管治療にかかる費用は異なるので、事前に費用について歯科医師にしっかり確認しておきましょう。
根管治療中・後の痛みについて
ここでは、根管治療における治療中や治療後の痛みについて解説します。
根管治療中の痛み
根管治療を行う際には局所麻酔が施されます。そのため、治療中に痛みを感じることはほとんどありません。
ただし、麻酔が効きにくい場合や感染が非常に進行している場合には、痛みを感じることがあります。治療中に痛みを感じたら、我慢せずに歯科医師に伝えましょう。麻酔を追加するなどの対処を行ってもらえます。
根管治療後の痛み
治療後に軽い痛みや違和感を覚えることがあります。これは、治療中に歯根の周囲の組織が刺激を受けるためです。痛みの程度は個人差がありますが、数日から1週間程度で自然に収まる場合がほとんどです。
痛みが強い場合や長引く場合は、何らかの問題が生じている可能性があるため、速やかに歯科医院に相談してください。
まとめ
根管治療は、歯を保存するための重要な治療です。虫歯や感染が歯髄まで進行した場合、放置するとさらなる痛みや歯の喪失につながる可能性があります。
この記事では、根管治療が必要なケースや治療の種類と流れ、治療期間や費用、そして治療中・治療後の痛みについて詳しく解説しました。
根管治療は、基本的には1回で完了せず複数回の通院が必要です。重症化するほど回数も費用もかかるので、歯に異変を感じたら早めに歯科医院を受診しましょう。
根管治療を検討されている方は、埼玉県鶴ヶ島市「鶴ヶ島駅」より徒歩8分にある歯医者「さくらの山歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
当院は、お子さまからお年寄りまで安心して通える、優しくてアットホームな歯医者さんを目指しています。虫歯治療や歯周病治療だけでなく、お子さまの治療や審美歯科にも力を入れています。
当院のホームページはこちら、ぜひご覧ください。
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