さくらの山歯科クリニックブログ
2025年7月8日 火曜日
乳歯が虫歯になった場合はどうやって治療する?治療法と予防法
こんにちは。埼玉県鶴ヶ島市「鶴ヶ島駅」より徒歩8分にある歯医者「さくらの山歯科クリニック」です。
永久歯に比べると乳歯は弱いため、虫歯のリスクが高いです。そのため、気付いた時には乳歯が虫歯になっていたということも少なくありません。
この記事では、乳歯の虫歯になりやすい原因や治療法、予防法について解説します。
乳歯は虫歯になりやすい?
大人の歯よりも乳歯は虫歯のリスクが高く、進行のスピードも速いといわれています。具体的な理由を確認しましょう。
エナメル質が薄いから
歯は外側から、エナメル質、象牙質、神経の3つから成っています。エナメル質は体の中で最も硬い組織で、大人の歯であれば厚みが十分にあるため、虫歯の出す酸に強いといわれています。
しかし、乳歯のエナメル質は薄く、大人の歯の半分程度しかありません。これにより、虫歯のリスクが高まる上、内部に虫歯が到達しやすいことで進行スピードも速いです。
歯の質がやわらかいから
発達途中である乳歯は、大人の歯に比べると歯の質自体がやわらかいです。そのため、乳歯は虫歯の酸に弱く、溶けやすいのです。
また、エナメル質の厚みが薄いことにくわえ、神経が大きいという特徴もあります。これにより、一度虫歯が内部まで進行すると、神経まで短期間で到達し、虫歯が重症化することもあるので注意が必要です。
痛みを感じにくいから
痛みの感じ具合には個人差がありますが、子どもの多くが痛みに鈍いといわれています。大人の場合、歯がしみたり痛んだりする症状で虫歯に気付きます。
しかし、子どもの場合は歯が痛いという感覚をあまり感じられないことがあります。また、大人の虫歯が黒くなるのに対し、乳歯の虫歯は白いことで、見た目には気付かないケースも少なくありません。
1日の食事回数が多いから
小さな子どもの場合、1回の食事量が少ないため、おやつで栄養を補うのが一般的です。
しかし、1日の食事回数が多くなると、口内に細菌が繁殖しやすくなり、乳歯の虫歯のリスクが高まります。特に、糖質を含んだ甘い飲食物は、虫歯菌のエサとなるため注意が必要です。
歯磨きが難しいから
小さな子どもの場合、自分では十分に歯を磨けません。特に、生えかけの乳歯や永久歯がある場合、歯列から外れることで歯磨きの難易度は上がります。
そのため、きちんと毎日歯磨きしていても、虫歯のリスクが高くなることがあります。
虫歯になりやすい部分は?
乳歯の虫歯リスクが高い部分は、以下の3つです。
奥歯
大人の歯よりも、乳歯の奥歯の溝は深い形状をしています。そのため、丁寧に歯ブラシを当てていても、汚れが溜まりやすいです。
また、奥歯と奥歯の間には汚れが溜まりやすい上、歯ブラシの毛先が入りにくい箇所です。奥歯を磨く際には、歯ブラシだけでなくフロスを使用するのがよいでしょう。
上の前歯
前歯の裏側は平面的ではなく、少しくぼんでいることで汚れが残りやすい箇所です。特に、哺乳瓶やストローで飲み物を飲む小さな子どもの場合、上の前歯の裏側に汚れが溜まりやすいです。
歯茎の境目
大人の歯と同様、乳歯と歯茎の際も虫歯のリスクが高い箇所です。歯磨きをする際には、歯茎の際に歯ブラシの毛先が当たっているか意識しながら歯磨きしましょう。
ただし、歯茎の際は痛みを感じやすい箇所です。仕上げ磨きの際にはやさしい力で磨くことを心がけてください。
乳歯の虫歯を放置するリスク
いつか乳歯は抜けると、乳歯の虫歯を放置する方も少なくありません。
しかし、以下のリスクがあるため、放置せずに歯科を受診しましょう。
歯並び・噛み合わせが悪化する
重度の虫歯で大部分が溶けたり、早期に抜歯したりした場合、できた隙間を埋めるために周りの歯が倒れることがあります。これにより、お口全体の歯並び・噛み合わせが悪化することがあるのです。
また、永久歯の生えるスペースがなくなることで、永久歯の歯並びにも悪影響を及ぼします。
永久歯に悪影響を与える
乳歯の虫歯が重度になると、根の先に膿が溜まることがあります。放置すると乳歯の下にある永久歯にも影響が及び、永久歯の変色や形態異常、発育不全を招くことがあるので注意が必要です。
永久歯が虫歯になるリスクが高まる
虫歯を放置すると、お口の中で虫歯菌が活発になります。これにより、他の乳歯や生え変わった永久歯にも虫歯が広がり、口内環境が悪化することがあります。
顎の発達を阻害する
虫歯で歯がしみる・痛いといった症状が出ると、虫歯でない箇所だけで噛むようになり、噛み合わせが悪化することがあります。顎の発達が阻害され、結果的に永久歯の歯並びの悪化、噛む力の発育不全につながる可能性があります。
子どもの発育に悪影響を与える
虫歯で歯がしみる・痛むといった症状が出始めると、食事や歯磨きなどの度にストレスを感じるようになります。さらに虫歯が大きくなると、何もしなくても症状が出るようになり、寝られないほどの激しい痛みが出る可能性もあるでしょう。
ストレスにより食事や睡眠が阻害されると、子どもの発育に悪影響を与えることがあるので注意が必要です。また、虫歯で歯が欠ける・穴が空くと、見た目が悪くなったり、空気が漏れて滑舌が悪くなったりすることもあります。
乳歯が虫歯になった場合はどうやって治療する?
虫歯は、段階ごとに治療法が異なります。ここでは、乳歯の虫歯の段階ごとの治療法について解説します。
ごく初期の虫歯
乳歯のエナメル質がわずかに溶けた状態で、穴が空いていない状態です。わずかに白や黄色に濁った状態であれば、歯を削る治療は必要ありません。
フッ素塗布により歯質の強化・再石灰化を促すことで、虫歯の進行を食い止められます。歯科医院では専用のフッ素ジェルを使用し、定期的にフッ素塗布を行うことで経過観察を行うのが一般的です。
エナメル質の虫歯
エナメル質の変色だけでなく、歯に穴が空いた状態になると歯科治療が必要です。虫歯部分を削り取り、レジンという白い詰め物で歯を補います。簡単な治療のため、1日で終わることが多いです。
象牙質の虫歯
象牙質まで虫歯が進んでいる場合も、虫歯部分を削り取り、レジンを詰める治療を行います。虫歯の大きさによっては、被せ物が必要な場合があります。
このような場合は1日では治療が終わらず、2回の通院が必要になるのが一般的です。
神経の虫歯
神経にまで進んだ虫歯の場合、複数回の通院が必要です。麻酔をして虫歯部分を削り、神経も取り除きます。さらに、歯の根の中を消毒する治療を行い、その後、被せ物で歯を修復します。
乳歯の根っこだけが残った大きな虫歯
乳歯がほとんど残っていないほど大きな虫歯の場合でも、まずは根っこの治療を行います。早期に乳歯を失うと、永久歯の歯並びに影響を及ぼすからです。
しかし、状態が悪く改善が見込めない場合には、抜歯を行うことがあります。このような場合、永久歯の生えるスペースを維持する治療も行います。
乳歯が虫歯になるのを防ぐ方法
乳歯の虫歯を予防するためには、セルフケアと歯科医院でのケアを併せて行うことが重要です。
歯磨きの習慣を身につける
口内に汚れが溜まったままになると、虫歯のリスクを高めます。そのため、お子様の歯磨きの習慣を身につけましょう。
食後は歯磨きを行い、お子様の歯磨きの後は親御様が仕上げ磨きを行ってください。奥歯の溝や上の前歯の裏は丁寧に歯磨きし、歯と歯の間はフロスを使用するのがよいでしょう。
食生活の見直し
お口の中に食べ物がある時間が長くなると、虫歯のリスクが高まります。特に、甘い飲食物を摂る回数が多い、だらだらと食事するなどの場合は要注意です。
食事やおやつの時間を決めて摂り、食後は歯磨きすることを習慣づけましょう。また、糖分の多いジュースやスポーツ飲料は控え、水やお茶で水分補給することが推奨されます。
フッ素塗布
歯科医院でできる虫歯の予防策として、フッ素塗布が推奨されています。フッ素とは、歯質を強化し、歯の再石灰を促す成分のことです。また、虫歯菌の働きを弱める効果もあるため、定期的に歯の表面に塗布することで虫歯予防に非常に有効です。
3~6ヶ月に1回、フッ素塗布を行うのがよいでしょう。
シーラント
シーラントとは、汚れが溜まりやすい奥歯の溝を平な形状に埋める治療法のことです。あらかじめ虫歯のリスクの高い箇所を平らにすることで、虫歯の発症を抑える効果があります。
定期的な歯科検診
乳歯の虫歯の進行スピードは速いため、定期的に歯科検診を受けることが推奨されます。症状がない場合でも、定期的に歯科検診を受けましょう。
また、歯科検診では、クリーニングや歯磨き方法のアドバイス、フッ素塗布も行います。これにより、セルフケアの質を高め、虫歯になりにくい口内環境づくりができます。
まとめ
大人に比べると、乳歯は歯の厚みが薄く、硬度もやわらかいです。そのため、乳歯は虫歯になりやすく、進行スピードも速いため注意が必要です。ごくわずかな虫歯であれば、歯を削る治療は必要ありません。
しかし、重度の乳歯の虫歯になると、神経の治療が必要になり、複数回の通院が必要になります。「いつか乳歯は抜けるから」と放置していると、永久歯やお子様の発育にも悪影響を及ぼすかもしれません。
日頃から歯磨きと歯科検診で予防し、異変があればすぐに歯科医院を受診することが重要です。
乳歯の虫歯を予防したい方は、埼玉県鶴ヶ島市「鶴ヶ島駅」より徒歩8分にある歯医者「さくらの山歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
当院は、お子さまからお年寄りまで安心して通える、優しくてアットホームな歯医者さんを目指しています。虫歯治療や歯周病治療だけでなく、お子さまの治療や審美歯科にも力を入れています。
当院のホームページはこちら、ぜひご覧ください。
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